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あらゆる物事をM視点で語るブログ

日々妄想

トイレから神様

私が幼少の頃から思春期の間まで過ごしたところは、どこにでもあるような平凡な街でした。
とある東京のベッドタウンの、その公団団地です。
合わせ鏡のように延々と続く団地群。その先には、整理された住宅街。手入れの行き届いた並木通り。
まあ、要するに私達にとっては退屈で何もない街でした。
ベッドタウン。つまり、休息するための街ですからね。
クラブやライブハウスもないし、若者向けの洋服屋もない。映画館もないし、CDショップもない。そして、山も海もない。遊ぶ場所といえば、ゲームセンター。あとは、夜に自動販売機の前でダラダラと溜まったりとか。

私が困ったのはまともな本屋がない事でした。
…そう、SM雑誌が売ってるような、まともな本屋が。

今、振り返ってみると検閲されていたと思うんですよね。
市民の安眠を阻害するような、刺激的な読み物を流入させてはならぬと関所のような機関に止められたのでしょう。
何せベッドタウンですから。
ですから、SM雑誌を置いてる本屋を見つけた時には小躍りしたものです。
ええ、買いに行きましたとも。自転車で40分以上かけて。
初めてSM雑誌を買った時の体験談はこちら

さて、帰り道。
日は落ち始め、家々の窓からはテレビの光が洩れてきます。どこからか、夕ご飯で出すのであろうカレーの匂いがただよってきました。
そんな中、拭いがたい焦燥感に襲われていました。
早く読みたい。一秒でも早く読みたい。
確かに家まではあと数分の距離にいる。そんなに焦る必要もない。だけど、家に帰ったら母親がいて夕食の準備をしていることだろう。もしかしたら、弟もいるかもしれない。そして、夕食が出来たら家族団欒で食卓を囲まなければならない。少なくとも、それまでは自慰できないということだ。
…何と気の遠くなるようなスケジュールだろうか。
ああ、家族なんていなくなってしまえばいいのに。

家が近づくにつれて焦燥感はどんどん強まっていく。そして、その感情はひとつの想いに結実した。
今すぐ、射精しなければならない。
場所が必要だ。人の目を遮る場所。団欒の香り、声を遮る場所。

…見つけた。
戸建住宅の新築工事現場に設置された仮設トイレ。
人目につかないよう仮設トイレに入る。
悪臭で息がつまる。掃除をしていないのか、便器から汚物が溢れていた。
構うものか。私は初めて買ったSM雑誌を開き夢中になって、自慰をした。

仮設トイレを出る。
完全に日は落ち、辺りは暗闇に包まれていた。人の気配はなく静まり返っている。ふいに、風が吹き 木々を揺らした。
その瞬間、私はいままで経験したことのないような猛烈な羞恥心を感じました。
見られたと思ったのです。先ほどまでの自慰を。そして、浅ましい欲望を。
勿論、そんな筈はないのです。自慰は終始仮設トイレの中で行われたわけですし、ましてや私の心の動きなどわかろう筈はありません。
それでも、見られたという感覚は錯覚とは思えませんでした。
錯覚でこんなにも強烈で深い羞恥心を感じるはすがない。私は確かに見られたし、感づかれたのた。
では誰に見られたのか。

…神に見られたのではないか。

その考えに至った時、先ほどの羞恥心を上回る深く強烈な興奮が全身を駆け巡りました。
神、あるいは大いなる存在が、私の自慰を見て下さったばかりか、羞恥心という罰まで与えて下さった。
マゾとして、こんな悦びがあるだろうか。
先ほど、射精したばかりなのに、アソコが痛くなるほど勃起していました。

神はいるのだ。あの羞恥心が証拠。あの勃起が証明。
神はいる。

今でも、あの強烈な羞恥心が忘れられず、仮設トイレを見つけては中に籠ります。
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