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あらゆる物事をM視点で語るブログ

日々妄想

男派女派

沢木耕太郎のエッセイ集『ポーカー・フェース』を読んでいましたところ、作中にこんな問いが出てきましてね。

「いままでの人生で、大事なことというのは男と女のどちらに教えてもらいましたか」

非常に面白い問いだと思いません?
沢木本人は明確な理由を明かしていないものの、女性から学ぶことが多かったと答えています。作中で問うた相手の鮨屋の親方は男派。
職人の世界で生きる鮨屋の親方が男派なのは何となく合点がいきます。一方で、沢木の女派発言は鼻につきますな。そりゃあんたがモテモテで、女性と接することが多いからではないかと。ところが、本人は付き合った数は関係ないのだと考えているようです。その例として出しているのが『無頼派』作家の坂口安吾、太宰治、檀一雄の三人。沢木が言うには女出入りの多かった太宰と檀一雄はどんな女性と出会っても本質的には変わることがなかった。一方で、坂口安吾は妻三千代と出会って大きく変わったと。
なるほど、檀一雄についてはよく知りませんが、確かに太宰は女性では全く変わらなかったように思います。

さて、私はといえば圧倒的に男派ということになります。人生において大切なことはほとんど全て男性に教わってきました。初めてのバイトで一緒だった先輩。会社の上司。尊敬すべき友人達。或いは、メディアの向こうのアーティスト等。
一方で女性はというと、全くといっていいほど思い浮かびません。強いてあげれば、母親になるのでしょうか。寂しい話ですよ、本当。

だからこそでしょうか。私は女性の口から「大切な言葉」が出てくるのを待ち望んでいるように思います。先輩や上司、友人やアーティストが口にした私の言葉達が一瞬に色褪せてしまうような女性からの金言を。
それも、男性が言いがちな社会のルールやその社会を生き抜くサバイバル術めいた単純な言葉なんかではなく、私の心を否応なく縛りつけ支配してしまう猛毒でありながら、それでいてやはり「大切なこと」としかいいようがない何か。

沢木は同書でこう言っています。

「一生のうちで男と女のどちらから学ぶことが多かったかというのは、案外その人を理解する重要な手がかりになるかもしれない」

まさしくその通り。そして、その人のS性M性を理解する重要な手がかりにもなりえるのかもしれませんよ。私などはその典型のように思います。男派であるがゆえに、女性に過剰な神秘性を抱いているタイプのM男といいますか。
面白いですね。

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makoto139

Author:makoto139
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