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あらゆる物事をM視点で語るブログ

日々妄想

悪食

「黄金プレイ愛好家にも色々細かいこだわりがあるわけよ」
 最近、変わったプレイを体験したかぶっとんだM男に遭遇したか尋ねると、現役SM女王様である彼女は少し考えて言った。
「便器として扱ってほしいとか、幼少期に戻って泥んこ遊びをするようにそれにまみれたいとか、神聖な雰囲気の中でそれを食したいとか、色々あるわけ」
 だからこそ彼女はプレイ前にカウンセリングをしっかり行うのだという。黄金プレイをしましょうなんて曖昧な合意で始めたら大変な事になるからだ。
「失敗した黄金プレイほど悲惨なものはない」
 彼女はそう断言した。
「途中でどんどん客の顔が醒めていくの。客の中で黄金プレイがただの排泄行為に変わっていくわけね。私の方が羞恥プレイを受けている気分になる」
 黄金がただの排泄物に。さながら、新婚カップルが一瞬にして冷め切った夫婦生活になってしまうようなものだろうか。なるほど怖ろしい。
「だから、黄金プレイをしたいというそのお客にもしっかりと細かい要望を尋ねていったわけ」
 写真を撮りたいと彼女は言ったのだそうだ。
「最初はお断りしたの。うちはプレイ中に写真撮影は禁止しているから。でも、よくよく聞いてみると彼が撮りたいのはプレイじゃないみたいなのね」
 黄金そのものを撮りたいのだという。
「まあ、そういう人もいないわけではなかったのね。でも、彼は続けてこう言ったの」
 彼女は声色を変えて言った。
「写真を撮ってインスタにアップしたいんです。僕は出された食事は必ずそうする事に決めているので」
「…私、正直気持ち悪いと思っちゃって。だってさ、その人にとってそれが黄金なのか排泄物なのかわからないけど、どちらにせよ食べ物ではないわけでしょ。はっきりいって、黄金を食べ物だと思ってる人なんていないわけよ。少なくとも、日常の食べ物だとは考えていないはずなの。でも、彼は何というか…、黄金を食べ物として食事しにきているようなふしがあって…。気持ち悪いと思ったし、もっと言うと、怖いなと思ったのね」
「で、プレイはしたの」
 私は聞いた。
「勿論、したよ。これでもプロ意識位あるからね。それなりに満足してくれたんじゃないかな。お礼というわけじゃないのだろうけどインスタのアドレスも教えてもらっちゃったしね。…勿論、見たよ。何といえばわからないよね。普通の食事写真に混ざって、黄金やら聖水やらタンポンやら爪やらカサブタやら足の裏の角質やら何かの骨やら白い脂肪と赤黒い肉がくっついた何かの皮膚やらがアップされてるんだから」
 その後、彼が訪れる事はなかったし、彼女もインスタを見ることはなかったそうだ。
「そのうち、とんでもないものがアップされそうでね…」
彼女は苦笑いしながら言った。
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