あらゆる物事をM視点で語るブログ

「世の中で包茎なのは僕だけだ。」
そんな事を思ってた気がする。
包茎治療の広告は良く見るけど、自分以外の包茎を見たことがない。
分かり合える人がいない孤独な日々。

ある日の事。それなりに仲の良かった友人が遊びに来た。
ひとくさり馬鹿な話で盛り上がる。
２時間以上経った頃だろうか、気が付くと友人が深刻な顔をしている。
私は少し心配になって、声をかけた。
「どうした？」
沈黙が辺りを包む。
永遠のような一瞬の後、友人はようやく切り出した。
「俺さ…。」
その重い口調に私は姿勢を正し、一語一句も聞き逃すまいと耳を傾けた。
「俺さ…包茎なんだ。」
ああ、そうか。そうだったのか。私は孤独なんかじゃなかった。
こんな近くに仲間がいたんだ。
私は高ぶる感情を必死に抑えながら言った。
「俺も、俺も包茎。」
嬉しそうな友人の表情。
それは私に初めて親友が出来た日だった。

が、その親友とも包茎手術を巡って対立することになるのだけど、それはまた別の機会に。


…正直、未だに自分以外に包茎の人はいるのかと疑心暗鬼だったりするのだけど。
日本人の６割は包茎と聞くが、都市伝説じゃないか。
それだけ存在するのであれば、私が他人の包茎というのを目にした事ないのはおかしいだろう。
もうね、みんな包茎を隠すの止めようと。
包茎だけに引っ込むのは止めようと。
…みんな止めたら、私も隠すの止めるんで。