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あらゆる物事をM視点で語るブログ

日々妄想

インセクトクラッシュ

これも知り合いのS女性から聞いた話。

SM倶楽部で働いていた彼女。そのSM倶楽部に厄介な客が来店しました。といっても、おそろしく不潔な恰好をしているとか、や○ざにしか見えない風貌をしているとか、そういった類の厄介ではありません。横柄な態度をとる、異常に挙動不審等の厄介でもないのです。問題はその客が求めているプレイでした。彼はインセクトクラッシュを要望していたのです。

インセクトクラッシュ。女性がハイヒール等で昆虫を踏みつぶすプレイの事ですね。 M男性は踏みつぶされる昆虫に自己投影して楽しむわけです。
では、インセクトクラッシュを要望する客がなぜ厄介なのか。
答えは簡単です。虫が平気な女性というのは少ないのです。ましてや、インセクトクラッシュにおいては虫に触れなければならない、敬遠するのも無理ありません。
実際、この時もほとんどの女性が及び腰でした。結局、男気あふれる彼女が貧乏くじを引くことになったのですが…。


ホテルに入ると、40代前半の男が笑顔で迎えてくれて少しだけ拍子抜けしたそうです。
「やあやあ、よく来てくれました。外は寒かったでしょう。」
少しくたびれたスーツにYシャツ、少し派手なネクタイ。どこにでもいるような地味な印象の男だったそうです。大きな虫かごを持っている事を除いては。
「本当はもう少し室温上げた方がいいのでしょうが、そうするとこれの動きが活発になってしまいますからね。申し訳ありませんが、我慢してください。」
「…その中にいる虫を踏みつぶせばいいの?」
覚悟を決めた彼女が言いました。ですが、返答は意外なものでした。
「いいえ、違います。」
「え、違うの?…ごめんなさい。店からはインセクトクラッシュと聞いてたから…。」
彼女の言葉を遮るように男は続けます。
「踏みつぶすのではないのです。あなたにはこれと戦ってほしいのです。」
「…はい?戦う?えーと、どういう事ですか。」
「そもそも、これは虫ではありませんよ。」
虫かごの中の明らかに百足に見えるものを指して彼は言いました。
「虫ではない…。」
彼女は混乱するばかりです。
「そうです。これは人類を殲滅せんと遠く宇宙の彼方からやってきた侵略者、いわば異星人です。勿論、知能もあります。それどころか我々人類と同等以上の知能を有しているものも存在するくらいです。」
突然何を言い出すのだろう、彼女がそう思ったのも無理ありません。
「そして、彼らには地球を侵略する動機があったのです。いいですか、かつて彼らはこの地球に似た豊かな星で静かに暮らしていました。畑を耕し、食物を分け与い、詩を愛でる、平和な日々です。」
「これが、ですか。」
虫かごの中の明らかに百足に見えるものを指して彼女は言いました。
「これが、です。これが、畑を耕し、食物を分け与い、詩を愛でていたのです。理想境といっても差し支えない場所だったのではないでしょうかね。ですが、理想境は崩壊してしまいます。侵略者がやってきたのです。侵略者たちは彼らを破壊し、略奪し、虐殺していきました。そして、遂には星を追われてしまったのです。」
その時、カサカサと虫かごの中の彼らが、何かを訴えるように動き回りました。
「彼らの無念がわかりますか。…そして、彼らを星から追いやった侵略者こそが我々人類の祖先たちなのです。もうおわかりですね。彼らがかつて住んでいた地球に似た星とは、この地球そのもので、彼らこそがこの地球の本当の住人なのです。」
「…。」
「つまり、彼らは侵略してきたのではありません。取り戻しに来たのです。この母なる地球を。ですが、ですがです。えーと、あなた名前は…。」
「○○です。」
ここでやっと彼女は自己紹介できたわけです。
「○○さん!だからといって、はいはいと地球を明け渡しますか?」
「…い、いやあ。」
「あなたには家族がいる、恋人がいる。大切な人を守らなければならない。戦わなければならない。」
そして、男は喉を潰さんばかりに叫びました。
「戦え!○○!」
カサカサ、カサカサと絶叫に呼応するかのように、虫かごの中の彼らも暴れだしました。妙な緊張感が部屋を支配します。
「…何てね。」
男は照れたように微笑しました。
「今のはいわば設定です。こういった設定の元で虫を潰していってほしいのです。まあ、インセクトクラッシュとイメクラの融合ですかね。」
と言われてもどうすればいいのか、彼女の戸惑いを察したかのように男は言いました。
「とりあえず、この台本を覚えてください。」


「旧き友よ。其方とは違う形で出会いれば酒を酌み交わす事もできたであろう。だが、それを言っても詮無い事。せめて全身全霊を込めて戦おうではないか。」
彼女はセリフの1部を私に披露してくれました。
「これを百足相手に言ったのよ。…まあ、いい体験だったかな。虫相手にイメクラプレイできる機会なんてそうそうないからね。」
そういって彼女は自嘲気味に笑うのでした。
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